このサイトではJavaScriptを使用しています。
Javascriptを有効にしてご利用ください。

番組審議委員会2020年7月

番組審議委員会2020年7月

放送番組の編集の基準

1.開催年月日

2020年(令和2年)7月

2.開催場所

新型コロナウィルス感染症対策として、書面での開催

3.出席委員

審議委員総数 7名
委員長   重村 一
委 員   内山 隆、大宅 映子、三枝 成彰、泊 懋、中山 雅葉子、脇田 直枝

4.議題

「富豪刑事Balance: UNLIMITED」について番組審議
放送日時:2020年5月10日(日)スタート 毎週日曜 夜 7:30~8:30

審議作品の概要
金に物を言わせ事件を解決してしまう型破りなキャラクターが人気を博した、筒井康隆作・累計発行部数116万部突破の連作推理小説『富豪刑事』(新潮文庫刊)が原作。
“彼”が「現代」を舞台にしてより華やかに、派手になって生まれ変わる。
2005年、2006年に深田恭子主演でテレビドラマ化され話題となり、本作は舞台を現代に移して、初のTVアニメとなった作品。2020年4月9日からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送開始、アニマックスは5月10日から放送。しかし、新型コロナウィルス感染拡大に伴い制作・放送が中断。8月1日第一話から放送を再開

5.議題審議内容

  • ドラマでもカメオ出演していた原作者・筒井康隆氏が、今作品も筒井氏と思しき和服姿の通行人として登場、最後の制作者クレジットが「神戸財閥」とするなど、洒落(ウィット)が効いている。
  • 手堅い鉄板原作のテーマ性を今の時代にどうマッチさせるのか?原作は70年代高度成長期の日本に対して、格差社会拡大、従来の常識や秩序が崩れる現代で、それを超越した「何でもお金で解決」する神戸刑事の桁外れの大富豪というキャラクター設定がどう受け取られるのか、関心がある。
  • 導入は少しもたつくが、神戸の登場から後半のストーリー展開は良い。
  • 映像のセンスは感じるし、作品の雰囲気もいい。音楽やテンポ感も軽快。
  • 「アニメーションならでは」のストーリー展開や描写、キャラクター性がもっと欲しい。キャラクター其々の(設定の)魅力を強化すると良い。例えば、「富豪」設定なら「どんな服を着て、どんな葉巻を吸うのか?」などブランドへのこだわりがあるなど。
  • 主人公二人に拘りすぎ、全体的に保守的になっている印象…アニメだからこそできる荒唐無稽な設定や非現実的な事件など、跳ねた作りを期待したい。例えば、世界を飛び回る007のような設定…現代の若者ばかりでなく、子供から中高年まで男女問わず、SNSで話題とするような新しい奇想天外なアイディアやセリフがないと、多くのアニメ作品の中で埋もれてしまう。
  • コロナ禍の世界を部分的に、物語に取り込むなど…時代の同時性・リアリティから作品が創られていることを視聴者に感じさせることもできる。
  • 一方で、ターゲットはアニメ好きの女性層か、一般の女性層か判然としないとの意も。アニメファンならキャクターデザインも映像の雰囲気も良いが、声優のキャスティングは、アニメと海外ドラマを観るライト層の二兎を追っている印象。
  • コロナ禍の制作中断による放送スケジュールの変更は致し方なし。
  • 「第一話から再スタート」による放送再開は良い。その告知は周知徹底されるべき。
  • 「日曜日夜7時30分(5月)」よりも、「土曜日夜9時30分(8月)」の方がより良い時間ではないか。

6.審議機関の答申又は改善意見に対してとった設置

  • 今回の審議会に出された意見については、審議会が開かれた令和2年7月以降、編成担当及び番組制作者へのフィードバックをはじめ、番組制作会議等で活用し、更なる番組の向上のために適切な設置を講じるよう努めていく。